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次に来る自然災害

2012/06/03 02:12

先月5月は、関東地方はいくつかの自然災害を経験した。中でも5月6日に茨木・栃木を襲った竜巻は甚大な被害をもたらした。そして5月10日にはここ横浜でも雹が降った。 5月29日、そして6月1日にはそれぞれM5.3、およびM5.2内陸の直下型地震も起きた。東北沖の海溝型の地震の揺れ方とは大きく異なり、鋭い小刻みの振動で強い揺れを感じた。内陸性の直下型地震のせいであろう。携帯電話の緊急地震速報も速度が追いつかず、地震が発生してからしばらく後に警報音が鳴る、といった状況だった。

また、3年ほど前の話になるが、2009年の2月には浅間山の噴火により、ここ横浜でも火山灰が降った。群馬県の浅間山から見て横浜市は直線距離で南東方向に約145kmの位置にあるが、当時のブログの写真に見られる通り、かなりの降灰があった。

これらはいずれも本書でカバーされている自然現象ばかりだ。「長尺の目」で見れば、人間のスケールでは「異常」と思えるような現象でも、地球のスケールではきわめて「正常」なこととである、と鎌田教授は語る。
本書は先月このブログにも書いた、地球科学の分野においてアウトリーチを実践される鎌田教授の新刊。本書は「週刊東洋経済」に掲載された「ビジネスパーソンのための地球学入門」というタイトルで連載されたもので、その内容は京都大学で教養科目の講義としての「地球科学入門」として学部生に毎年教えている内容と同じという。本書よ読んだことでなんだか得したようで気をよくしている。

これから起きる4つの災害
本書の冒頭で鎌田教授は次のように指摘する。

第1の災害は、東北地方の太平洋沖で起きる「余震」。
鎌田浩毅次に来る自然災害』PHP新書、6ページ)
今回の震源域のすぐ南側にあたる千葉県の房総沖での地震が心配されています。
鎌田浩毅次に来る自然災害』PHP新書、6ページ)

実は私個人的にも、房総沖での地震と、つぎに述べられている関東地区での内陸性の直下型地震の発生を一番危惧している。

第2の災害は、陸域で起きる「直下型地震」です。
鎌田浩毅次に来る自然災害』PHP新書、7ページ)

第3の災害は、火山性の噴火が誘発されること
鎌田浩毅次に来る自然災害』PHP新書、7ページ)
今回のように海で巨大地震が発生すると、数年以内に活火山の噴火が始まることがあります。(中略)20世紀以降に世界で発生したM9クラスの地震のあとには、ほとんど例外なく近傍の活火山が噴火しています。
鎌田浩毅次に来る自然災害』PHP新書、7-8ページ)

第4の災害は、いまから20年ほどのちに起きる「西日本大震災」(鎌田浩毅次に来る自然災害』PHP新書、8ページ)
地震学者たちは2030年代には起きると予測しています。(鎌田浩毅『次に来る自然災害』PHP新書、8ページ)

歴史は語る

なるほど。いまの日本列島における地殻活動は、平安中期のそれと酷似している。

歴史をふりかえると、現在の日本列島は平安時代の中期と類似した「地殻の変動期」にあたります。9世紀の日本では、869年に東北沖で東日本大震災と同規模の貞観地震が起こり、その18年後の887年に東海、東南海、南海の三連動地震である仁和地震が発生しています。
じつは9世紀には、あの富士山も大噴火を起こしています。864年に富士山の北西山麓で、大規模な割れ目噴火が起きました。(中略)ここから大量の溶岩が流出し、「富士の樹海」として有名な青木ケ原樹海をつくったのです。(鎌田浩毅『次に来る自然災害』PHP新書、202ページ)
地球科学に基づく過去の事例を知っている私たちは、「想定外」という言葉でこうした自然災害から目を逸らすわけには、もはやいかないのです。
(鎌田浩毅『次に来る自然災害』PHP新書、203ページ)

たしか昨年の3.11のあとに発行された海外の科学誌の記事でも、この種の趣旨の記事を読んだ記憶がある。日本の古文書には過去に起きた災害の状況が記録されているものがあり、歴史上の記録として過去が現在に語りかけている以上、「想定外」といった言葉では済ますことはできない。

神のご加護?
確かに戦後の復興期の日本には、地震が少なかった。

地球科学的に見ると、戦後の復興は、じつは地震が少ない時期に重なるという幸運に恵まれていたのです。こうした恵まれた時代が終わりを告げたのが、1995年に神戸を中心に起こった阪神・淡路大震災でした。
くりかえしますが、日本の復興期と高度経済成長期に大きな地震がなかったのは、ラッキー以外の何物でもないのです。
(鎌田浩毅『次に来る自然災害』PHP新書、201ページ)

阪神・淡路大震災が発生し、その後というものは9.11が発生し、リーマン・ショックが発生し、そして3.11が発生した。まるで神が日本の戦後の復興を見届け、そして行き過ぎた経済活動に対し警鐘を鳴らしたかのように・・・。

温暖化と国際社会
少なくとも専門家のコンセンサスが十分に得られていない現時点で、国際間での性急な取り決めを行うことは、将来の国益に反するのではないかと私は危惧しています。
(鎌田浩毅『次に来る自然災害』PHP新書、151ページ)

これは『地震と火山の日本を生きのびる知恵』(レビュー)においてはもう一歩踏み込んで書かれていた。要するに、将来にわたって、いまの勢いで地球温暖化が進むかどうかは、必ずしも定かではなく、専門家のあいだでも意見が別れるところ。であるにもかかわらず、地球温暖化をネタにしての国際間での取り決めが行われていることに鎌田教授は危惧する。

日本国は二酸化炭素の排出量25%を削減しますとか、軽々しく約束したりする。科学の世界が、将来的には長期にわたって温暖化するという結論をきちんと出していないのに、その前に政治や経済の世界が二酸化炭素の排出量取引をするとか、勝手に決めていく。地球はもっと長い尺度で見なければならないはずです。(鎌田浩毅『地震と火山の日本を生きのびる知恵』メディアファクトリー、135ページ)

自分の身は自分で守れ
やがて起こりうる巨大地震に対し、家族と自分にできることは何か? 今年になってから我が家でも長期保存が効く非常食と水を数カートン仕入れた。通勤カバンの中には、いつのまにか防災グッズが増えはじめた。科学の進歩を待たずとも、きょうこれからでもできることは身の回りにたくさんある。防災に対する意識を高めたい。

東日本大震災は、国や自治体、大企業に頼ることができないことを、図らずしも露呈してしまいました。つまり、何が起きても、「自分の身は自分で守る」しかないのです。
(鎌田浩毅『次に来る自然災害』PHP新書、15ページ)



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